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ヴェルサスキターーーーー!!
30 . March
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31 . January
准将が少し自暴自棄。
何でこんな内容なんだか。

リグシド。
というかリグが一方的な感じ。

※ネタバレな部分もありますのでご注意ください。





空ろな鳥





「―だぁっっ!?バカっっ!!」

思わず口から出たが、何を言ったのか自分にもよく分からない。
それだけ目の前で起きた事に慌てたからだ。

なにせ数メートルはあろうかという高さから人が落ちてきたものだから。
慌てて駆け寄って何とか受け止めたものの、物凄い衝撃で地面に転がった。

「ってぇ…大丈夫ですかー…?」
俺は大丈夫じゃないけど。
思い切り背中打ったけど
しかし、身を呈して庇う必要がある。
なにせ落っこちてきた人は自分の上司なのだから。

シドは胸の中でうずくまったまま、反応がない。
「おいおい、どっか怪我したんじゃ…!」
身を起こそうとする。背中が痛む。が、自分よりこの人のほうが心配だ。
「…大丈夫だ…」
ぼそりと返ってきた暗い返事。
「あのさ、あんた自分の立場分かってます?准将ですよ、准将。もう少し自分を大事にして下さいよ」
「…」
黒い前髪で表情が分からない。

「…あんた最近、元気ない。何かあったんですか?」



異変に気付いたのは数日前。
多分、俺以外の奴はほとんど気付いていないのかもしれないが、何所かいつもと様子が違う。
部下たちの目の前では変わらず凛とした姿を見せてはいるものの、いざひとりになるとその目は遠くを見つめて空ろになる。
元気がない…と、言う程度ではないような気さえする。
生きるのに疲れてしまったのではないか…そう思わせるほど。

今日も、聖府関係者や軍上層部の連中の集まりがあるとかで、出なくてはならないと重たそうに溜め息をついていた。
会場まで送り届けたが、大尉という階級は入れてもらえない。
どうせ数時間は出てこないだろうし、リンドブルムに戻ろうかとも思ったが、最近の様子の変化が気になってそのまま待つことにした。
と、ほんの1時間ほどでシドから連絡がきた。

あの人らしくない、か細い声で。

「帰りたい」

子供みたいな一言だった。
「もういいのか?まだ1時間くらいしか…」
「ここに居たくない」
「…けど、それもあんたの仕事だろ?」
「…」
ブツっと、回線が切れた。
「あっ、くそ、切りやがった…!」

(まずった…言うんじゃなかった…)

素直に分かったと言うべきだった。
シドが心配でここに居たにも関わらず、この有り様だ。
「何やってんだ俺は…」
シドともう一度連絡を取ろうとするが繋がらない。とりあえず、会場の玄関まで行くがしっかりとPSICOMが見張っている。
勿論俺は入れないが、シドが出てくる気配もなく、PSICOMの視線がどうにも痛いので舌打ちしながらその場を離れた。
(ったく。どーすっかなぁ…)
無駄過ぎると思うくらいでかい建物。その周りをぐるりと回ってみる。
唯一、PSICOMが見張っていない個所があった。
「手抜きしやがって、俺ならここから入っちまうぜ?」
警備の甘さを指摘したらあいつら何て言うだろう。

「リグディ大尉」

ドキッ!と、した。
突然、頭上から名前を呼ばれたものだから。
「あ?」
見上げると上の階から顔を出すシド。
「准しょ…―だぁっっ!?バカっっ!!」
顔を確認したのも束の間、いきなり窓から身を乗り出して飛び降りるもんだから慌てて受け止めた。

と、いう訳だ。



「…分かりました。そんなに帰りたいなら帰りましょう」
飛び降りてくるくらいだ。相当帰りたいらしい。
「…すまない」
「いーですよ、別に。俺もこんな所より空飛んでたほうがいいですから」
パンパン。と、服をはたいて立ち上がり手を差し出した。
「どーぞ」
つかまってください。と、差し出した俺の掌にシドは右手を出そうとした。
が、何かを思いつめたような顔を一瞬見せてその右手をしまい、自分で立ち上がった。
「…玄関からでは誰かに引き止められると思った…」
「はい?」
「…だから飛び降りた」
無茶をした意味をぼそりと口に出す。
「君なら受け止めてくれると思っていた…」
「それほど信頼してもらってるって事で胸に刻んどきます」
「…たとえ…受け止められず。ここで死んだってよかったがな…」

まただ。
あの目だ。
空っぽになったような。

「…冗談よしてくれよ!」
(何言いだすんだ、この人は…!)
思わず声が荒くなった。
「あんた、やっぱり変だ。どうしちまったんだ…!あんたにはやるべきことがあるだろ!?」
「…」
「あんたが話してくれた夢…俺はその夢に賭けたんだ。このまま落ちぶれるよりマシだって!」
「…」
「あんたがいなくなっちまったら、俺はどうすりゃいいんだよ!怪我したって何したっていい、あんたを守ってやるから、死んでもいいとか言わないでくれ!!」
背けていた目をようやく俺に合わせた。
ああ。きっと、何を言っているんだろうこの男は。と、思っているんだろう。

「…ふふ」
「なっ!?」
笑ってる。
笑ってやがる!!
「おっ、俺は本気で…!」
「すまない…君からそんな言葉を聞けるとは思ってもみなかったから…」
「だからって笑うとか酷くないですかー…?」
なんか力抜けた…。

「そういう言葉は、一生涯大切にしたい人に言うものだ…」
「…はいはい。そーします。さっさと帰りましょー」
「そうだな…私にはまだ、帰る場所がある…」

この人の胸の内はまだよく見えないが、俺が何とかしてやるよ。

だから、死ぬとか言わないでほしい。
俺より先に死ぬな。

先に死んだら、許さない。



*****


何これ。
最初はもっと甘い感じにしたかったんですが(空から天使降ってきました的な感じ)書いていくうちにそうはいかなくなった。なにせルシになった直後な内容なんで。

世界観が全然掴めてないので頭抱える。
大体、どっから飛んじゃってンだか。未来の建物ってー。何ですかー。どんなんですかー。
軍とかも全然、そーゆー情報ないんで大尉の立場ってどれくらいなのかもわからない。

最後のリグの言葉は今後もずるずる引っ張っていきたい。
やっぱり、あんな終わり方なんで。
好きな人が先に逝くとか、考えるだけで…ぐはっっ。

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