記憶の欠片 言葉の泪 5思っていた通り、暫くして目を覚ましたウォーリアはぼんやりとした目で時計を見た途端、慌てて身なりを整え始めた。
「起きていたなら起こしてくれてよかったのに・・・お腹空いただろ?」
湯を沸かし始めるウォーリアに。
「寝顔が可愛かった」
と、言ってみると。
「・・・花に水をやってくる!」
真っ赤な顔を隠すように出て行った。
(案外、弄り易かったりしてな・・・)
湯が沸くまでは庭から戻ってきそうにもないウォーリア。
スコールも身なりを整えていると、ふと目に入った1冊の本。
(日記帳・・・?)
部屋の隅にある古い机の上に置かれた日記帳。
(日記つけているのか)
勿論、スコールが思ったのはこれくらいで、何が書かれてあるのかまで興味はなかった。
ピーッ!と、湯が沸いたことを知らせるやかん。
キッチンに行って火を止めると、ウォーリアも戻ってきた。
「いいよ、スコール。私がやるから座っててくれ」
まだほんの少し赤い頬。気付かれたくないのかスコールと目を合わせないようにしている素振りが何とも言えない。
(からかい過ぎると口聞かなくなりそうだな・・・)
言いたい事を堪え、ウォーリアに言われたとおり椅子に座って待つことにした。
何気ない会話をしながら過ごす1日。
途切れた会話の合間にスコールは思う。
(何故、俺はここに来れたのだろう)
(帰る術はあるのだろうか)
心にふと、過ぎる疑問。
「どうかしたか?」
ウォーリアが顔を覗き込めば、そんな疑問は直ぐどこかへ行ってしまう。
「いいや、なんでもない」
(このまま、帰れなくても・・・悪くはないのかもな・・・)
このままずっと、ウォーリアと居れるなら。
「・・・そういえば、日記つけてるんだな」
何を話そうかと模索し、机に置いてあった日記帳を見て言った。
「ああ、こちらに帰ってから書き始めたんだ。毎日、欠かさずつけている。大切な思い出だ・・・あの時の皆のことも書いて・・・」
何故か、途中で言葉を詰まらせるウォーリア。
「どうした?」
「い、いや・・・お茶、淹れてくる」
ウォーリアはそそくさとその場を離れて行った。
(・・・?どうしたんだ一体・・・皆の話になると、どうも様子が変だな)
スコールはウォーリアの後姿を見ながら妙に思っていた。
(フリオニールのことを話した時もそうだった。日記をつけているのに、忘れるはずないよな・・・)
少し、不安を覚えたスコール。
机の上にポツリとある日記帳を見つめた。
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次はもっと展開を・・・。
なんだか続き書こうとしたらダラダラになってしまいそうだったので。
いつまで続くのか解りませんが宜しくお願いします。
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