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ヴェルサスキターーーーー!!
04 . December
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24 . May
ハイ、というわけで短編です。
今回はめちぉくちゃ暗い。


スコWol+ガーランド
悲恋、シリアス
※死にネタです。


それでも宜しい方はどうぞ。






それは、あまりにも突然のことで。

目の前で何が起きたのか、よく解らなかった。

ただ、地獄を見ているのは・・・確かだった。





ひとりぼっちで 獅子は泣いた





クリスタルを探す道中、突然ウォーリアが皆の許から離れた。
近くにガーランドの気配がすると言って、行かなければとあっという間に行ってしまった。
皆は勿論、ウォーリアの後を追ったが異常なまでの、それこそ光そのもののような速さで見えなくなってしまった。

「何度、剣を交えてるんだろ、あの2人・・・ガーランドの事となると目の色変えていっちゃうし・・・」
「宿命ってやつさ。ウォーリアなら大丈夫だろう。それに、俺達が割って入るようなこと、きっとウォーリアは許さない」
「そう・・・だよね。自分の本当の敵は自分ひとりで倒さなきゃ」
「うん。彼なら心配ない」

仲間達が言う中でただひとり、スコールだけは皆のようには安心できなかった。

(何だ・・・この胸騒ぎは)

今までに感じたことのないような、言い様のない不安に駆られる。

(まさか・・・な。あんなに強い奴、やられるはずない)
1度剣を交えたスコールはウォーリアの実力を知っている。
その時はスコールが勝ったものの、ウォーリアは本気ではなかっただろう。とは言っても、それ程手を抜いているわけでもない戦い方。
仲間であるスコールの事を理解するために出した力加減だった。
もし、本当に敵対する立場であったら勝てなかったかもしれない。スコールはそう思う。

ウォーリアの宿命の敵との戦いを邪魔しないよう、皆はしばらくの間待つことにした。
しかし、一向に胸のざわめきが落ち着かないスコール。
皆と距離を置いた場所にいた彼は気付かれないようにウォーリアの後を追うことにした。

(無事な姿があれば、邪魔はしない)

あくまでも、遠くから2人の戦いの様子を見届ける。それならいいだろうと、スコールは急いだ。



あちこち壊れたカオス神殿。
2人の凄まじい激闘が繰り広げられたことが一目で分かる。
太い大きな柱の向こうからぶつかり合う気配。
スコールが2人に気付かれないようにそっと顔を出した瞬間だった。

目を焼くような閃光が広がった。

あまりの眩しさに目が眩み、スコールは右腕で顔を覆った。

ほんの数秒だったかもしれないが酷く長く感じた。
そっと目を開けてみる。ぼやける視界の中に紫のマントが映った。

ガーランドだった。

荒く息をしながら立っている。
さっきの閃光は、ウォーリアが放った凄まじい一撃。それを喰らいながらもガーランドは耐えたのだ。
ガーランドが大きく、ウォーリアの姿が見えない。
スコールはウォーリアの姿を探す。

心臓が急に大きく鼓動を打つ。

ガーランドの足元に、その人は倒れていた。

身体から溢れる赤い海。

ぴくりとも動かないその人を呑み込むように、赤はその人の白い肌や髪を汚していく。

なんだ。

何が起きた。

目の前に倒れ血だまりに沈む光を無言のまま、見つめる獅子。

「・・・終わりだ・・・」

ガーランドが低く言ったその言葉に、スコールの何かが切れた。

「ガーランド!!!」
めったに上げない大声で叫び、柱の影からガンブレードを振り上げ飛び掛った。
「うあああああっっっ!!」
怒りに任せ、全てを打ち込む勢いでガーランドを斬り伏せようとした。
が、ガーランドの巨大な大剣がガンブレードを受け止め、スコールの全ての力を弾き返すように押し返した。
スコールは後ろへ吹き飛ばされ、壁に激突する。
「・・・・・・ぐっ!」
「見ていたのか、若獅子」
瓦礫に埋もれているスコール。背を強く打ったせいで呼吸が上手く出来ない。
「・・・はっ・・・き、さま・・・よくも・・・!」
倒れているウォーリアを再度見る。
動かない。血はもはや致死量ともいえる量が溢れている。遠くからでも分かる。息を、していない。
「ウォー・・・リア・・・」
名を呼ぶ。本当の名じゃない名を。
「真の決着はついた。わしにはもう戦う相手がいない」
「おれ、と・・・戦えっ!俺が、戦いに・・・囚われた、愚かなお前を葬り去ってやるっ!!」
「戯言を・・・怒り狂う貴様に勝ち目などない。怒りで我を忘れるような貴様に言われる筋合いはないわ」
ガンブレードを地に刺し、痛む身体を支える。
「何がしたかったんだ・・・!ウォーリアを倒すことが全てか!」
「いずれどちらかが倒れなくてはならんのだ・・・輪廻は繰り返す。終わったと言っても、我らは再び巡り会い、戦う運命」
「解るか、そんなもの・・・っ!何故ウォーリアを解放し、あんたもそれから逃れようと抗わない!こんなこと続けて何になる!ウォーリアは必死で輪廻を断ち切ろうとしていた!!」
「救いがない運命に抗おうと無駄・・・ならば運命に従い、決められ道を進むのみ」
「それはあんたの勝手だ。ウォーリアまで巻き込むことなかったんだ!」
「巻き込んではおらん。こやつもまた、抗おうとも無駄な運命を背負っているだけだ」
「解るか・・・解るもんかっ・・・!」
「ただ、闘争を繰り返す我らの一方が欠ければ、もう一方も直朽ちる」
ガーランドはそう言って、倒れているウォーリアを見据えた。
「また会おう・・・光の戦士よ」
そう呟くとスコールに背を向け、歩き出した。
その身体は徐々に薄くなっていく。
一方が欠ければ、もう一方も直朽ちる。

そしてまた、次の世界で同じことを繰り返す。

スコールはよろめきながらウォーリアに近づく。
その顔を覗き込む。
なんて綺麗な顔だろう。
そっと触れる頬は冷たく、柔らかいく、一筋流れた涙の跡をつけていた。

何に涙したのか。
それはスコールにも分からない。
己の抗えぬ運命にか。
戦いに囚われた宿命の敵をも救えなかったことか。
仲間達との別れか。
それとも。

それとも・・・。

「ウォーリア・・・」
せめて、本当の名前さえ知っていたら呼んでやりたかった。
戦いが終わったら、今度はウォーリアの記憶を探しに行こうと言ってやりたかった。
何があっても、守ってやると・・・言ってやりたかった。

後悔ばかりが頭を過ぎる。

ウォーリアの身体は光に包まれ、次第に薄くなっていく。
繰り返すため。
また別の、ここではない、似ているようで違う世界で再びガーランドと戦うため。
スコールの事も、皆の事も、今まで自分が感じた感情も、全て忘れて甦る。

「・・・ウォーリア、また。また、会えるさ・・・俺が、探しに行くから」

最期の口付けを。




ウォーリアの消えた後には、血の跡だけが残った。

唯一、残されたウォーリアであったもの。

その血に寄り添うように、暫く動かなかった。

渦巻く闇の下

ひとりぼっちで

獅子は泣いた。



□■□■□



暗っ!!
長っっ!!

いろいろごめんなさい。

でも、1度はやってみたかった死にネタとか、悲恋とか。

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