記憶の欠片 言葉の泪 4(・・・?)
見慣れない天井。うっすらと開いた目。
ぼんやりとした意識の中を辿ってここは何処かと探る。
ふと、右肩に重みを感じて視線を向ける。
(・・・ああ、そうだった)
小さく寝息を立てて、いまだ夢の中に居る美しい人。
すがるようにスコールに寄り添って眠っている。
(・・・俺はウォーリアに会えたんだ・・・)
起こさないようにスコールは身を起こす。
少し動くと軋むベッド。
それ程広くもない部屋に置かれた古いベッドは、成人の男2人の重さを支えている。
「ベッドはスコールが使っていい。私は床で寝るよ」
そう言って、ひとつしかないベッドをスコールに譲ったウォーリアだったが、スコールは自分が床で寝ると言い出して、暫く言い合いになっていた。
30分ほど譲り合いをした結果がこれだ。
「なら、一緒に」
どちらが言ったのか、互いもよく覚えていない。
しかし、久しぶりに会えた愛しい人と同じベッドで寝ることとなれば先は見えている。
(・・・やりすぎた・・・)
時計を見ればもう昼も近い時間。
恐らく、時間ピッタリ動くであろうウォーリアがこんな時間までぐっすり眠っているのは有り得ない事だろう。
彼がここまで眠りこけてしまうのはよほど疲れたり、安心しない限りは出来ないことだ。
(まぁ・・・いいか・・・)
どうせ、スコールもこの世界に居るうちはやる事もない。
ウォーリアも花の手入れだけが今の日課だ。
こんな日があったっていいじゃないか。
スコールは出来ればウォーリアに、もう少し眠っていて欲しいようにも思った。
独りきりで居た辛さを昨日の夜に痛いほど感じ取った。
もしここで会えなかったら、ウォーリアは壊れてしまったのではないかと思うくらいに。
どんなに暖かい世界に居てもウォーリアは独りだった。
(まだ眠ってろ・・・傍に居るから・・・)
銀の髪を優しく撫でた。
ウォーリアの目が覚めるまで、あと少し。
きっと目を覚まして、時計を見て、驚いて。
「起こしてくれればよかったのに」
とでも言うだろう。
「あんたの寝顔があまりにも可愛かったから見惚れていた」
と、言ってやれば顔を真っ赤にしてそっぽを向いて。
そんな他愛もないことを幸せに感じるだろう。
□■□■□
進展なしっ。
ちょっと書いてみたかったところでもあります。ウォーリアは時間にぴったりな人間だと思う。ルーズな人嫌いそう・・・。朝早い、夜も早い。
でも今回はスコールが寝させてくれなかった(笑)
夜に何があったのか・・・裏のほうで書ければと思います☆
次はもうちょっと内容進めます。
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