記憶の欠片 言葉の泪 7
「それも・・・忘れてしまったようだ・・・」
ウォーリアの記憶が失われると知ってから3日目。
記憶を戻す術を何としてでも見つけようとスコールは必死になっていた。
先ずは、9年前に出会った事から全て話した。
コスモスという秩序を司る女神に選ばれ、崩れかけた世界に召還された事。
カオスという混沌の神と無限の軍勢との長い戦いの事。
時には、すれ違いで仲間同士剣を交えた事も全て。
だが、返ってくる答えは殆ど。
「分からない・・・」
所々覚えている部分もあるものの、はっきりとした記憶がないようだ。
そんな事があったな。ぼんやりと覚えている。その程度だ。
ならばと、日記の空白が空いた部分に再び言葉を入れてみてはどうかと試す。
スコールが言葉を教え、そこにウォーリアの手で再び記入させる。
「どうだ?」
書いても直ぐに言葉はスウ・・・と、消えてしまう。
「いいや・・・思い出せない。何度書いても消えてしまうし・・・」
「駄目か・・」
じゃあ、俺が。と、スコールが日記帳に今まであった事をひたすら書いていく。
が、これも書いた直ぐそばから消えていってしまう。
「・・・この日記帳がいけないのか?」
日記帳はいたってごく普通のものだ。
ウォーリアも近くの店で買ったものだと言ったし、魔法などがかけられているようなものではない。
よし、これなら。
と、新しい日記帳に書いてみるが、ウォーリアに関する事を書くと全て消えてしまう。
「・・・ウォーリアと関係のある事柄だけが消えるのか・・・」
分かった事と言えばそれくらいだ。
だが、これでは記憶を戻すどころか記憶が消えないようにする事さえ出来ない。
日記帳の言葉は日々、数個程度の速さで消えていってしまっている。
急がないと、何もかも忘れてしまう。
焦るスコール。
頭をガリガリむしって考えを廻らせる。
そんな様子を横で見ていたウォーリアが気を遣い。
「少し、休憩しようスコール。心を落ち着かせないと、何も思いつかない」
そう言って、ウォーリアはお茶を淹れる。
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とにかく、なにやっても無駄だという感じで。
中途半端に終わってすいません。
また、近々続き載せます。

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