今迄向けられていた視線がふと横にそれた。
「戯」ドアの方に移った視線が場の空気を濁す。
少し怪訝そうな表情を浮かべてじっとドアを見ていた。
「どうした?」
「…なんか、誰か居た」
そう言われてドアに目をやると、閉まっていたとばかり思っていたドアが少し開いている。迂闊だった。誰かに見られたかもしれない。
「閉め忘れたな。お前、入ってきた時ちゃんと閉めなかっただろ」
ベッドから降りてドアを閉めに行く。念のため鍵もかけた。
「…そうかも」
ナインのその答え方にキングは違和感を覚えた。
見られたら恥ずかしいと思うのが普通の反応ではないだろうか。
直情的な性格のナインなら顔を真っ赤にしてもっと慌ててもおかしくない反応だ。
「…お前、わざと開けっ放しにしただろ」
そう言うと少し悪戯そうに笑ってみせるナイン。
「さぁ、どーだろーな」
「こいつ…」
頭を小突く。
ナインがこんな事をするのに思い当たる節があった。
まだキングがトレイと付き合っていた頃のことだ。
今のナインのように夜は寄り添って2人で過ごすのが日課のようになっていた。
たまたまだった。
一度だけ部屋のドアを閉め忘れた。視線を感じてトレイが嫌がった。嫌がるトレイにキングは言った。
「見せつけてやればいい…だろ?」
ハッとした。
そう言うナインをキングはじっと見た。
「…やっぱり、お前だったのか。あの時見てたのは…」
「なぁ、続きは?」
腕を首にまわして引き寄せる。
躾のできていない犬…まさにその通りかもしれない。
しかし、さっき見ていたのは誰だろう?
わざわざ誰でもいいから見せつけてやりたかったなんて事はないだろう。
だとしたら…。
考えを巡らせるも次第に熱くなる体温とナインの誘う声に全て掻き消されていった。
◆◇◆◇◆
なんか、いろいろ意味不明ですいません。
ナインとトレイは私の中では不仲設定なんです。
ドロドロ三角関係。
でも、誰が見てたかは実際のとこ誰でもいいんです。最初考えてたのはマキナだったし(笑)
こんな感じでキング×ナインで妄想してくようです…。
よかったらお付き合いくださいー。
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