小さな光静かな夜。
隣で夢の中に居るその人の顔を覗き込む。
「・・・スコール」
小さな声で。
決して起こさないように。
愛しく。
愛しく。
「スコール」
確かめるように。
「スコール」
離れないように。
「スコール・・・」
忘れないように。
「・・・私に・・・名があったら・・・」
小さな願いを口にする。
「本当の名を君に呼んでもらえたら・・・」
どんなに幸せだろう。
“光の戦士”なんて呼ばれても、嬉しくない。
「せめて大切な人と居る時くらい、本当の名で呼んでもらえたら・・・」
でも、自分でも分からない名前。
狭い隙間から流れる風が、肌に優しく触れた。
風に乗って聞こえるのは静かな寝息だけ。
ふと、隙間から見える夜空を見る。
きっとあの星にさえ、名前があるのだろう。
誰かに見つけてもらって、名前をつけてもらって、死ぬまでそこで輝き続ける。
広い広い空の上。
その空の下に居る自分には届かないのだろうか。
でも、せめて。
「私の名を教えて・・・」
それさえ教えてくれたなら、きっとこれからどんな苦難にも立ち向かっていける気がする。
けれど、それさえ教えてくれないのだろう。
もう、暫くしたら別れが来るのだろう。
また、私は当てもなくひとりで何処かへ行くのだろう。
それまでに、どうか。
名を知ることができたら。
先ず、逸早く君に教えたい。
「スコール」
「・・・ん」
目を瞑ったまま何かを探るようにしてコツンと頭を寄せてくる。
なんだ。ここに居たのか。
そう言うように、また大人しくなって。
いつか。
いつか。
願いが叶いますように。
君に本当の名を呼んでもらえる日が、きっと来るように。
おやすみ。
「スコール・・・」
おやすみ。
□■□■□
短いなー。
これでもずっと書こうと思ってたネタでした。
元ネタは下に。
大人の事情もあるので反転にしたが、それじゃアウトか?
アニメ映画「親子ねずみと不思議な旅」(タイトルうろ覚え、あってるのか・・・そして、かなり古い?)の主題歌だったものです。
主題歌が入っているレコードが存在していたようですが、現在販売はされておらず、CDもありません。このアニメのDVDがあるのみ。
小さい頃に録画されていたのを見ていてとても大好きなアニメのひとつ。
その主題歌が小さい頃から大好き。
歌詞の内容がなんだかwolとかぶるようなところがあったのでずっと文字にしたいと思っていたのがようやくできた。・・・が、いろいろ難しい。
歌詞内容が幼い子供の願いだったので・・・。
特に最後の部分は大好き。
いつか願いが叶うように。
そんな切ない歌。
CD化して欲しい・・・。
おねがい おしえてよそよふく あさのかぜよぼくは ひろいそらのしたにひとりおねがい おしえて ぼくのなをよんでよ ぼくのなをきらめく よるのほしよぼくは ひとりで どこへいくのだろうおねがい おしえて ぼくはだれなのけれども きっとくるよねがいが かなうひがいつか みんなが ぼくのなをよんでおうちへ かえるだろう
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